ラク太です!
本日のテーマは「100億の男」という肩書が有名なプロップトレーダー、髙橋良彰氏の「億スキャFX」手法を考察・検証します。
2か月間のトレード結果から手法の優位性を検証した結果は以下の通り。
- サインに従ってトレードするだけでもいちおうプラスにはなる
- 宣伝にある「勝率95.8%」は無理
- 勝てはするが、「思ったのとは違う」かも
- 優位性は感じられるため、カスタマイズ次第で優秀な手法に
とりあえず、オリジナルとなる「億スキャFX」の商材を紹介しておきます。
→https://www.infotop.jp/click.php?aid=403442&iid=83982
ただ、この記事では
- 無料で「億スキャFX」を再現し、
- 「億スキャFX」のデメリットを改善する
ところまで行います。
ですので上記の商材を買うのは、「どうしてもオリジナルのインジケーターが欲しい」「髙橋良彰さんのトレード講座を学びたい」という人になるでしょう。
上記のページでは無料でメール講座を受講できるので、それを受講するのは良いと思います。
- 髙橋良彰さんの経歴について
- 「億スキャFX」の手法について
- 実際のトレード結果2ヶ月分を公開
- 億スキャFXの強みは「スキャルピングじゃないこと」、弱みは「スキャルピングなこと」
- 効果的な使用法1・プライスアクションの要素を取り入れる
- 効果的な使用法2・スキャ→デイトレの2段構えで使用する
- 効果的な使用法3・「億デイトレFX」として使用する
- まとめ・裁量要素が多くカスタマイズ性〇
髙橋良彰さんの経歴について
高橋さんは「プロップトレーダー」という肩書を持っています。
プロップトレーダーとは「プロップファーム」に所属するトレーダーのことで、プロップファームとは「ディーリング専門の金融機関」のことです。
つまり、「自社の成長の全てを投資活動に委ねる会社」となりますね。
「億スキャFX」の宣伝には「プロップトレーダー=負けることが許されない投資家」とありますが、まさしくその通りです。
中でも高橋さんは「100億の男」として昔から経済情報誌などで取り上げられていますし、高橋さん自身が運営するプロップファーム「株式会社エイ・ティ・トレーダーズ」も、確かに存在する会社です。
ですので、少なくとも身元は確かな人物です。
「億スキャFX」の手法について
「億スキャFX」の手法は以下の通り。
- 使用する時間足は5分足のみ
- 使用する通貨ペアは基本的にドル円・ユーロドル・ユーロ円・ポンド円
- 一目均衡表の雲とMTFでフィルタリング
- 「TMA」のパーフェクトオーダーでエントリー
- パーフェクトオーダーが崩れたら利確・損切
順をおって、「無料で実践できるように」解説していきます。
使用する時間足・通貨ペア
使用する時間足は5分足のみ。
通貨ペアは、オリジナルの商材には「ドル円・ユーロ円・ユーロドル・ポンド円・豪ドル円・NZドル円」の6種類とありますが、高橋さんが運営するブログでは豪ドル円・NZドル円での取引に関する記載はありません。
個人的にはユーロ円も省いて、ドル円・ユーロドル・ポンド円だけでも良いと思います。
「いくらスキャルピングとはいえ、5分足だけというのは……」と感じるかと思いますが、後述する通りMTF(マルチタイムフレーム)の要素も、簡単にですが入っています。
一目均衡表の雲とMTFでフィルタリング
エントリーのフィルタリングは一目均衡表の雲と、マルチタイムフレームを使います。
一目均衡表の雲でフィルタリング
チャートが一目均衡表の雲の上にある時は買い、下にある時は売り、雲の中にある時は様子見、というフィルタリングです。
これはシンプルながら非常に効果的で、私も普段からよく使う手法です。
MT4で一目均衡表の雲だけを表示する方法はこちら
→https://note.com/mt4_ea_indicator/n/n5a41d7843613
パラメータはデフォルトの9・26・52が良いでしょう。
マルチタイムフレームでフィルタリング(無料インジケーターで代用)
オリジナルの商材には「マルチタイムスコープ」というインジケーターが付属しています。
これは「5分足しか見ていなくてもマルチタイムフレーム認識が可能になる」という優秀なインジケーターです。
が……無料インジケーターの「4TF HAS Bar.mq4」で代用可能です。
インジケーターのダウンロードはこちら→https://www.forexmt4indicators.com/ja/4-tf-has-bar/
(広告だらけの怪しい海外サイトですが、有名なインジケーター紹介サイトです。ダウンロードには会員登録が必要ですが、偽名と捨てメアドでOKです)
「4TF HAS Bar.mq4」を設置すると、以下のように。
これは表示中の時間足と、その上位足3つのトレンドを表示しています。
この場合は5分足に設置しているので、5・15・30・60分足のトレンドが分かります。
フィルタリングの方法として「億スキャFX」では、
- 5分足と、上位足3つのうち2つが上昇トレンド(青色)なら買い
- 5分足と、上位足3つのうち2つが下落トレンド(赤色)なら売り
としています。
※追記
MT4によっては「4TF HAS Bar.mq4」を使用すると極端に重くなってしまう場合があります。
その場合、以下のインジケーターを手動で4本表示することで代用できます。
→【MT4インジケーター】平均足の改良版・マルチタイムフレームの平均足スムーズド+新ZigZagを無料公開! | FXナビ
私も最近は「4TF HAS Bar.mq4」ではなく、こちらのインジケーターを使用しています。
3本のTMAでエントリー・イグジット(無料インジケーターあり)
エントリーのタイミングは、「3本のTMAがパーフェクトオーダーを示したらエントリー」。
TMAって?と調べると、「TAKAHASHI-Moving Average」すなわち「高橋式移動平均線」とのこと。
なんじゃそら!と思いますが、さらに調べるとTMAとは「ハル移動平均線」である可能性が高そうです。
ハル移動平均線とは、移動平均線の弱点である「トレンド感知の遅さ」を改善したもの。
MQLのサイトで無料インジケーターが配布されています。
→https://www.mql5.com/en/code/25629
あとは普通の移動平均線と同様、短期・中期・長期の3本を表示し、
- 上から短期→中期→長期の順になったら買い
- 下から短期→中期→長期の順になったら売り
とエントリーします。
問題は3本のHMA(ハル移動平均線)の期間ですが、ハル移動平均線を愛用するトレーダーの間では「20・80・320」の組み合わせが定番のようです。
実際に使用した感覚としても、良いポイントでパーフェクトオーダーが発生しています。
ただ、問題は手じまいのタイミング。
本来ならパーフェクトオーダーが崩れたタイミングで決済するのですが、これではタイミングが遅すぎます。
これを改善するのが、「億スキャFX」で本当に利益を上げるためのポイントとなるでしょう。
追記:ハル移動平均線のパーフェクトオーダーを通知するインジケーターを作成しました!
この「億スキャ」手法を強力にサポートしてくれるインジケーターを作成しました!
無料でダウンロード可能ですので、良ければぜひご利用ください。
実際のトレード結果2ヶ月分を公開
結局のところ、「億スキャFX」はシグナルどおりにトレードするだけではダメで(それでもプラスにはなりますが)、裁量判断も相応に必要な手法です。
ただ、公式サイトに「無裁量でシグナルどおりトレードした場合の結果」というのを毎日掲載されていますので、それをもとに2021年8月・9月のトレード結果を割り出してみました。
2021年8月の結果
ドル円 100pips
ユーロ円 25pips
ポンド円 -49pips
ユーロドル -15pips
合計 61pips
2021年9月の結果
ドル円 120pips
ユーロ円 -18pips
ポンド円 274pips
ユーロドル -23pips
合計 353pips
月ごとの平均獲得pipsは207ですから、なかなか良さそうに見えます。
ただ問題点は、利益のほとんどが1つのポジションを半日ほど保有するデイトレード方式での勝利だということです。
もしも「スキマ時間で数pipsをサッと抜く」スキャルピングをしたいのであれば、残念ながらイメージとは違う結果だと言えるでしょう。
感じたメリット
- とにかくエントリーポイントが的確
- 「4TF HAS Bar.mq4」が便利
- 手法自体に優位性を感じる
「3本の移動平均線によるパーフェクトオーダー」の優位性は広く知られており、非常に納得のいくエントリー方針です。
また実際にトレードしてみると、エントリーポイントが非常に優秀だと感じますね。
「エントリーした途端に逆行し、全く戻ってこない」というエントリーはほとんどありませんでした。
感じたデメリット
- とにかく手じまいが遅い
- スキャルピングではない
- 裁量要素を多く要する
サインどおりにトレードすると、とにかく手じまいの遅さが目立ちます。
そのため数分で勝負が決まるスキャルピングの場合では、手じまいの遅さから負けが込んでしまう結果に。
個人的にスキャルピングにはプライスアクションの知識が不可欠と考えていますが、「億スキャFX」でもそれが言えるでしょう。
億スキャFXの強みは「スキャルピングじゃないこと」、弱みは「スキャルピングなこと」
どういうこと?という感じですが……
結論から言えば、「億スキャFX」は名前に反し、
- 短期で決着するスキャルピングの相場に弱い
- 半日ほどポジションを持ち続けるデイトレードの相場に強い
ということです。
過去のトレード結果を見ても、実際にトレードした感想としても、「デイトレでがっつり数十~100pipsほど獲得できるが、短期の損切(5pipsほど)の多さが邪魔をしている」という形になります。
良い時はガッツリ、悪い時はサッと切る……というのはデイトレードでは非常に優秀な形ですが、億スキャはスキャルピング手法として練られた手法です。
宣伝にも「スキマ時間でサクッと」「勝率95.8%」などとありますから、「細かな負けを積み重ねる代わりに、勝つときはガッツリ」というのは、趣旨に反しています。
実際にトレードしていても、仕掛けるタイミングは非常に良いのに
「スキャルピングなら、もっと早く手じまいしたいな……」
とか、あるいは逆に
「デイトレでやってた方が良い結果になっただろうな……」
と感じることが多く、モヤモヤします。
効果的な使用法1・プライスアクションの要素を取り入れる
この手法の弱点は手じまいの遅さですが、これはどんなインジケーターを使っても解消できるものではありません。
この記事で何度も遅い遅いと述べている「ハル移動平均線のパーフェクトオーダー」自体、かなり早いシグナルです。
それでも遅いと感じるのですから、解決には「プライスアクション」や「酒田五法」しかありません。
すなわち、我々が手にできる最も早い情報である「ローソク足」をもっと学びましょう、ということです。
プライスアクションの補助ツールとしてはこういうインジケーターもあります。
→https://www.fxnav.net/mt4navi/price_action_pinbar_indicator/
また「FXTF」のMT4には、国際的に活躍するアナリスト「陳満咲杜」さんが監修した、プライスアクションインジケーターが搭載されています。
効果的な使用法2・スキャ→デイトレの2段構えで使用する
使用法①の派生です。
プライスアクションを駆使して、本来のスキャルピングである「数pipsをコツコツ拾う」ことが出来るようになったとしましょう。
ではこれまで得意としてきた相場……すなわちトレンドが本格化し、デイトレード気味に長くポジションを持ちたい相場では、どのように対応すべきでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、「トレーリングストップを設定してデイトレに移行する」ことです。
利益が10pipsを超え、トレンドの方向感が定まったら、トレーリングストップを設定しましょう。
トレーリングストップはMT4に内蔵されているものを使用してもいいですが、個人的な感想としては、「パラボリックSAR」でトレーリングを行うのも面白いと思います。
「パラボリックSAR」を使ったトレーリングストップの方法は、この記事の「マルチ・トレーリングストップ」の項を参考にしてください。
→https://manabu-blog.com/mt4-trailing-stop-ea
(パラボリックを使った~という項もありますが、そのEAは現在ダウンロードできません)
パラボリックによるトレーリングを行う場合、5分足ではパラボリックがすぐに反転してしまうため、1時間足などでトレーリングすると良いと思います。
効果的な使用法3・「億デイトレFX」として使用する
「億スキャFX」がデイトレのエントリーポイントとして優秀だということを活かし、そのまま活用するという方法です。
日足や4時間足で方向性を定め、1時間足でレンジ幅を設定、5分足の「億スキャ」でエントリーポイントを探るという形で使ってみてはいかがでしょうか。
最初は複雑に感じるかもしれませんが、本来の「億スキャFX」にも少しはマルチタイムフレームの概念が取り入れられています。
ですので、この手法にも通じる部分があるでしょう。
まとめ・裁量要素が多くカスタマイズ性〇
この記事で紹介したインジケーターを活用することで、誰でも高橋良彰さんの手法の「枠組み」は真似することができます。
ただ、オリジナルの商材を購入すると受講できる高橋さんの講座では「水平ラインやトレンドラインブレイク、パターンブレイクなどの裁量要素を組み合わせる」とある通り、これはあくまで「枠組み」に過ぎません。
高橋さん本人の手法に近づけるには講座を受講する必要があるでしょうし、
あるいは本記事で紹介した手法を取り入れるのも良いでしょう。
「移動平均線のパーフェクトオーダー」というシンプルな手法は応用が幅広いため、各人でカスタマイズしてみてください。